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龍実ブログ

手形は、迅速かつ確実にして、流通性を高めようとすれば、
手形要件以外の事の余計な記載を減らし、定型化しておく事が望ましいことから、
当事者間でのプライベートな合意は有効であっても、手形法上は意味のない(効力の無い)
→『無益的記載事項』であるとされます。

 

それ以外に、不適法な記載がされた(手形要件に対し)、手形は手形自体を無効にする
『有害的記載事項』と言う物もあります。
例えば、手形金額や支払期日等の複数記載で、手形債務の内容を不確定にしていたり、
法定の4種類の満期の記載のいずれにも該当しない手形。
そして、救済規定として適用を受けないもの、条件付きの支払約束文句がそれにあたります。
(沢山有るので割愛しますが、詳しくは手形法第77条Ⅱ項)
要は確定できない手形です。

 

最初の『無益的記載事項』が記した手形は、手形としては有効ですが、手形要件以外の所は無効。
手形要件以外の確定出来ない記載を追記した『有害的記載事項』の手形は、
手形自体を無効にしてしまうと言う事を、ご理解していただけたでしょうか?

 

そのような中、手形要件以外の記載をして、それが有効になる『有益的記載事項』があることも
紹介しておきます。
これは、当事者の意思を尊重する必要があり、手形債務の内容を明確にする点で、有益でも有ると、
法が定めた記載をすれば、その効力が認められる事項です。

 

どのようなものかと言いますと、、、それは、
第三者方払文句(手77条Ⅱ項・4条)
振出人の肩書地(手76条Ⅲ項、Ⅳ項・2条Ⅲ項、Ⅳ項)
拒絶証書作成免除文句(手77条Ⅰ項④・44条Ⅲ項)
が、あります。
これは現在の統一手形用紙に既に記載しています。

 

他、、、
裏書禁止文句(手77条Ⅰ項)、利息文句(手77条Ⅱ項・5条Ⅰ項本文)、
無担保文句(手15条Ⅰ項)、取立文句(手18条)、質入文句(手19条)、
裏書日付(手20条Ⅱ項)、支払呈示期間の短縮文句(手34条1項)裏書人の宛所(手45条)
等があり、為替手形には、引受呈示命令・引受呈示禁止等もあって、詳細に書くと
面倒なので控えますが、結構沢山ありご興味のある方は一度調べてみて下さい。

 

現実は『有益的記載事項』と言えど、やはり追加の記載がある手形は、
流通する過程で受取る側に抵抗感が生じ、好ましく感じられない為、滅多にお目にかかれません。
但し、どうしても条件付きで、手形を取り扱わなければならない時に、知っていれば、
大変有益なことだと思います。

 

例えば、『無担保文句』ですが、裏書の欄に「無担保」「支払無担保」「償還無用」など、
担保責任を負わない趣旨の文言を記載して(下記のように)行うと、
この裏書人は、直接の被裏書人および、その後の被裏書人全員に対して、振出人が支払いを
拒絶された場合(不渡り)でも、償還義務を負わないで済みます。
本当の意味での手形の債権譲渡です。裏書をする事によって発生する、
振出人の手形の債務保証を免れる事ができるのです。

 

 

如何でしたでしょうか?
詳細についての御質問がありましたら、ぜひ弊社の営業マンへお問い合わせくださいませ。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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