今回は、1月に入社した本多が社長の指名を受けましたので、私が手形の基本知識を
学んで気になった事について説明させていただきます。
手形には手形要件によって絶対的記載事項(必要的記載事項)が決められているのは、
手形を扱う方ならご存知かと思います。
では、その記載事項はどのような事項なのか、おさらいしていきたいと思います。
※”約束手形”という文字、支払約束の文句、支払地(為替手形は無記載の場合あり)は、
既に統一手形用紙に記載されているので省略します※
①金額
②支払期日
③受取人
④振出日・振出地
⑤振出人署名
①金額は言うまでもなく、手形の重要記載事項になります。必ず一定金額を表示する必要があります。
この金額の記載の仕方は、銀行などで取り決めがあり、アラビア数字を用いる場合は専用機械である
チェックライターを使います。手書きの場合は「壱、弐、参・・・」などの漢字を使わなければなりません。
また、チェックライターを使用する時は金額の前に「¥」を、後ろに「☆」もしくは「※」を記載し、
手書きの時は前に「金」を、後ろに「円成」を記載します。
②支払期日は上記の金額を支払う日です。満期日または支払期日と言います。
仮に6月31日など暦にない日を記載した場合は、記載されている月の末日、ここでは6月30日として
扱われます。振出日より前の日を書くと無効になりますので、間違うことがないように
気を付けなければなりません。
③受取人は手形の金額を受け取る人物の名前です。法人の場合は会社名(商号・屋号)を記載し、
代表者名を記載する必要はありません。
④振出日は手形が振り出された日を記載します。ここで注意しなければならないのは、
振出日が支払期日より後の日にちになってしまわないようすることです。
もし、振出日が支払期日より後の日にちになってしまっていると無効扱いになります。
振出地は、厳格でなく法律上は単に「日本」と書いてあってもよく、その振出行為の効力を
どこの国の法律によって決めるかという基準で必要なだけのものです。
⑤振出人署名は個人の場合、自分の氏名を署名・捺印する方法と、記名・捺印する方法があります。
手形法では、署名すれば捺印がなくても有効なのですが、銀行では流通しないことがほとんどですので、
銀行への届印で捺印しておきましょう。また振出人が法人の場合は当座取引の住所・社名・職名・氏名が
必要になり、個人の場合は当座取引の住所・氏名が必要になります。
どちらも銀行への届印で捺印します。
以上で絶対的記載事項(必要的記載事項)の説明は終わりですが、ここで私が気になった事があります。
それは「白地手形(しらじてがた)」という手形の存在です。
白地手形とは絶対的記載事項が全部または一部記載されていない手形の事です。
皆様疑問を抱きませんか??
手形法上では、絶対的記載事項が一つでも欠けた手形は無効になってしまうのです。
しかし記載事項の一部が記入されていない白地手形という不思議な手形があります。
もちろんこれには理由があります。白地手形のままだと不完全な手形なので、受取人が補充する
という約束で振出人は白地手形を振り出します。金額や支払期日が白地だと振出人にとっては
非常に危険になってしまいますので、基本的には振出日や受取人の欄が白地になっています。
受取人の欄が白地になっていると、手形を受け取った人は、裏書によらずにそのまま第三者に
譲渡することができます。
つまり受取人や所持人が最終的に補充をするという前提で振り出されているので、
銀行に持っていく前には完全な手形となっているのです。
いかがでしたでしょうか。少し長くなってしまいましたが、私は手形を振り出す段階で
絶対的記載事項が記入・記載されていないと、その手形は無効になると思っていましたので、
白地手形というものがあるということに対して不思議に思っていました。しかし受け取ってから
白地の部分を補充することで完全な手形になりますので、初めて白地手形を受け取った際は
慌てず対応していただければと思います。お問い合わせ下されば弊社の営業マンが迅速に
対応させていただきます。
最後までお読みいただき有難うございます。