私がこの仕事に就く時にまず「割引」って何??となった事を思い出し
今回は“業界用語”のような通(つう)な話ではなく、普通の言葉だけど
一般の方には聞き慣れない単語(用語)について少しお話ししたいと思います。
普通「割引」と言えば、“割引セール”を連想しますよね。
これは「何割か差し引いて売る」という意味ですから、手形割引は手形を何割か
引いて換金するという事だと考えれば納得出来ます。
が、最近この“何割”って単語が野球の打率に使われる事以外は、そう度々使われなくなってか、
「何%」が主流で、昔の人は「月何分??(分=1ケタの%)」なんて
訊く人がいましたが、ほぼそんな会話は通じなくなって久しくなり、
そんな「割引」の単語の連想からイメージが出来にくいと私は思っています。
「ディスカウント」を格好良く言った方が伝わりやすくなる時代になるかもしれませんね。
又、「手形の裏書き譲渡」と言う何とも面倒そうな行為を連想するこの言葉も
「裏書き」って何??と、当初私は疑問でした。
証券会社が扱う、上場の株券も電子化になる前の紙の時代は、
裏面に譲渡欄があって、そこへ署名捺印する形式でしたが、今やそんな
株券を見る機会もなく、「裏書き」の意味がイコール「譲渡」の
行為だとは知らない方が年々多くなっているだろうと想像しています。
以上のように「割引料」は手数料(手間代)と意味は違いますが、
お金に色は付いていませんので結果として同じですし
現貸金業法では手数料は金利とみなす!と言う法律もある訳で
「手形割引」が「手形換金」であっても、私は同じ事だと思っています。
又、「手形の裏書き」は少し長い言葉ですが、「手形の裏面に署名(捺印)」
の方が譲渡する前の簡単な行為として理解しやすいと私は思っています。
普段何気に我々が使っている当たり前の用語も電子記録債権の流通が
主流になったりして、時代とともに馴染みの薄い言葉になるかもしれませんね。
それはいたしかたないとして…
因みに振出人の事を業界用語では「オモテ」と言います。
これは簡略語として、我々手形の業界が有る限り、
電子記録債権の「“主たる債務者情報”の欄は誰??」なんて
会話ではなくて、「オモテは誰??」と言い続けるのではないかと想像しています。
今回も最後までお読み頂き有難うございました。