営業部の青木です。
去る11月21日に、年に一度の貸金業務取扱主任者資格試験がありました。
2時間内で50問4択の試験なのですが、その中に今回も唯一、手形及び電子記録債権法に関する出題がありました。
今回は、その「問題」をご紹介しそれぞれ解説したいと思います。
手形法及び電子記録債権法に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 確定日払いの約束手形の所持人は、支払いをなすべき日又はこれに次ぐ2取引日内に支払いのため約束手形を呈示して、約束手形の支払を受けることができる。
②約束手形に、一定の金額を支払うべき旨の単純な約束(以下、本問において「支払約束文句」という。)の記載に付加して「手形金を2回に分割して支払う」旨の条件を記載した場合、支払約束文句に付加された記載は無効となるが、当該約束手形自体は無効とならない。
③ 電子記録債権の譲渡は、当事者間の合意のみによりその効力を生じ、譲渡記録は、電子記録債権の譲渡の対抗要件である。
④ 電子記録債権は分割をすることができない。
解説
① 手形法38条では「確定日払、日附後定期払又は一覧後定期払の為替手形の所持人は支払を為すべき日又は之に次ぐ二取引日内に支払の為手形を呈示することを要す」とありますので設問の通りでこれが正解です。
② 有害的記載事項に関する設問で手形上に分割払いなどの支払条件を記載することで手形の効力を失う結果になります。本ブログでも過去に取り上げておりますので宜しければ参考にされてください。
手形.com/weblog/?p=954(2016/10/07 手形の有益的記載事項について)
設問では「約束手形自体は無効とならない」とありますので間違いです。
③ 電子記録債権法の設問でありまして、下記のように書かれています。
第二十六条(電子債権の内容の変更)
電子記録債権又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、「記録変更をしなければ、その効力を生じない。」
設問では「当事者間の合意のみにより」とありますので間違いです。
④ 電子記録債権は、分割が可能ですので設問は間違いです。
債権者に対して分割して支払うことができるほか、ファクタリングなどで譲渡する際に分割して利用することができます。
以上です。如何でしたでしょうか。「簡単!」と思った方も、「なるほど!」と思った方もいらっしゃると想像しています。
拙い解説でしたが最後迄お読み頂き有難うございました。