営業部の青木です。
去る11月16日に、年に一度の貸金業務取扱主任者資格試験がありました。
2時間内で50問4択の試験なのですが、その中に今回は唯一、手形及び電子記録債権法に関する出題がありました。(昨年は過去の試験の中で初めて手形に関する問題が一問も出題されませんでした。)
今回は、その「問題」をご紹介し解説したいと思います。
手形法及び電子記録債権法に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 詐欺によって振り出された約束手形を裏書により譲り受けた所持人は、当該事情を知らず、かつ知らないことにつき過失がなかった。この場合、当該約束手形の振出人は、当該所持人から手形金の支払を請求されたときは、詐欺を理由とする手形行為取消しの抗弁をもって、当該所持人に対抗することができる。
② 裏書が連続している約束手形の所持人は正当な権利者と推定されるため、正当な権利者であることを手形上の債務者に対し手形金の支払を求めることができる。
③ 電子記録債権は、保証記録に係るもの及び電子記録保証をした者が電子記録債権法第35条第一項の規定により取得する特別求償権を除き、発生記録をすることによって生ずる。
④ 電子記録名義人に対してした電子記録債権についての支払は、その支払をした者に悪意又は重大な過失がない限り、当該電子記録名義人がその支払を受ける権利を有しない場合であっても、その効力を有する。
解説
②.③.④は設問のとおりです。
①は善意取得に関する設問でありまして、手形法には下記のように書かれています。
手形法第十七条(人的抗弁の切断)
為替手形に依り請求を受けたる者は振出人其の他所持人に対する人的関係に基く抗弁を以て所持人に対抗することを得ず但し所持人が其の債務者を害することを知りて手形を取得したるときは此の限に在らず。
以上のように記載されており設問の所持人は「当該事情を知らず、かつ知らないことにつき過失がなかった。」とあり善意取得をした第三者ですから振出人は所持人に対抗することはできません。設問は間違いです。
以上です。如何でしたでしょうか。「簡単!」と思った方も、「なるほど!」と思った方もいらっしゃると想像しています。
拙い解説でしたが最後迄お読みいただきありがとうございました。