商業手形の割引(資金化)だけで無くお困り事等ご相談ください。

龍実ブログ

皆さんは、金利と利息(利子)の概念の違いを御存知ですか?

一般に、金利は「マーケットで具体的に成立している使用料であり、手数料も含まれているもの」で、
利息(利子)は、「抽象的な観念で、貸借した金銭などに対して、ある一定利率で支払われる対価」
と言われています。
法律用語としては、通常「利息」を用いますが、何故か預貯金に対し、銀行では「利息」。
郵貯では「利子」と呼ばれています。
そんな訳で「割引料」は→“ある一定利率の金利計算をした上で算出したもの”と言う言い方が
正しいようです。

前置きが長くなりましたが、今回は御存知の方も多いかとは思いますが、
この「割引料」は、先取り(前取り)で計算され、「年率10%の金利」といえども、
単純なものでは無い事を説明したいと思います。

次の式をご覧ください。

通常、手形の支払い期日が1年先(365日先)と言う事は、そうあり得ませんが、
解りやすく説明する為に、仮にそうであったとして、100万円の手形を年率10%の金利で
計算すると…

:100万円の手形×年10.0%(1年先→365日先の期日)=10万円
受取り金額=90万円
以上のようになります。

しかし、“90万円の受取り金額から逆に1年先にかかった利息はいくらか?”と考えると

:90万円×年?%(1年先→365日先の期日)=10万円
?%=年11.111・・・%となります。

このように、割引は、銀行を始め、全ての金融機関で  A  の計算方法でされています。
これは…発行時に額面より低い金額で発行され、償還期日に額面価格が償還される「割引債」
(昔、農林中金が発行していた「ワリノー」etc)と考え方が同じだと思います。

  を先取り利息計算 B  を後取り利息計算と言われていますが、
貸金業法が改正され、貸金業者へは手形割引の際であっても、  B  の計算での検証も義務付けられました。

又、どう言った訳か、 を「表面金利」、 を「実質金利」と呼び、本来の割引債の考え方からすると、
そのような呼び方は却って複雑な感じがしますが、皆様も、これを機会に御認識下されば幸いに思います。

最後に…この説明文を書いて振り返ってみると、“結構「金利」と「利息」の使い分けが出来ていない?”
微妙である事に気付きました。その辺りの解釈は、学者さんの範疇としてお許し下さい。

次回は、その「表面金利」「実質金利」の考え方について、お話ししたいと思っています。
拙い講釈文をお読みいただき、ありがとうございました。

 

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