前回のブログで、「先取り利息→表面金利」と「後取り利息→実質金利」という
お話を しましたが、 今回は、“もっと本来の大きな意味”での、
表面金利と実質金利のご説明をしたい と思います。
皆様は「銀行はお客様本人の信用の範囲 (与信枠)でお取引する」という事は、
御存知だと思います。
信用とは「ヒト・モノ・カネ」です。
ここで注目していただきたいのは、 「モノ・カネ」の部分にあたるところです。
(モノは商流やビジネスのスキーム… でもありますが)
で、銀行はそこに担保を要求しますよね? 法的には、 拘束性預金は禁止されていますので、
何とも言い難いのですが、今回は『銀行へ供与している担保が、 定期預金であれ、
不動産であれ、 1,000万円の価値があり、 少し乱暴な想定かもしれませんが、 その担保が、
『利子や収益(果実)を生まない』 と仮定して、お話を進めます。
下の式をご覧ください。
もし銀行で、前述した担保を提供し、 年2%で支払期日が
1年先の1,500万円の手形 を割引したとしましょう。
A :割引料は、1,500万円× 年2%(a)=30万円です。
a=2%
しかし、
1,000万円は自分の担保=資金ですから、 銀行のお金(他人資金)は、
500万円でそれに対し、 30万円の割引料を支払ったと考えられますよね。
そこで、
B :500万円×年 b %=30万円
b=6%
少し極端な例で、説明しましたが、 預金や担保を提供し、 銀行で安い金利で割引しても、
預金や担保を流動化しなかった裏返し (適切な表現ではなければスミマセン)
として、上記のようなことになります。
a を表面金利。
b を実質金利と考えられます。
それとは別に、 貸金業法では「みなし利息」 と言う言葉があり、
それは「調査料」「手数料」「取立料」 他一切のお客様が負担する費用
(一部少し除く部分有り)は、 利息とみなされる、と言うものです。
例えば、 我々が手形交換所へ支払う取立料も、 「利息」とみなされています。
※銀行業務では、謎ですが、 金利とみなされていません。
前回の先取り利息と 後取り利息の説明に加え、 このお客様が負担された金員を、
金利(割引料)に加算し、 元金に対し控除された総額を逆算し、
それが「実質金利」と言う事に貸金業法 の下ではなっています。
如何でしたでしょうか? 御理解していただけましたか?
私は最初に御説明申し上げた、 aの表面金利<bの実質金利
を再考していただき、我々の預金、 担保無しで手形を換金できる利便性に、
資金の流動化のメリット を感じて下されば嬉しい限りです。
そして、我々の利益でもない、 手形交換所へ支払う取立料も、
銀行では “利息ではなく” 、 我々は “利息とみなされている”
現貸金業法の理不尽さも、 この機会に皆様へ 御理解していただければ、何よりです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。