商業手形の割引(資金化)だけで無くお困り事等ご相談ください。

龍実ブログ

 

よくお客様から「割引料は年率何%ですか?」と言うお問い合わせと共に、
上記の質問を受ける事があります。
簡潔な答えは「リスク度とコストから算出します」
なのですが、今回はその辺を詳しくお話ししたいと思います。

 

「リスク度」と言えば、皆様は帝国データバンクや東京商工リサーチを始めとする、
企業興信所の評点で判定していると想像されていると思いますが、実はそればかりだと
大変矛盾してしまう点が多いのです。
それは、おこがましい言い方かもしれませんが、私共手形割引業者は、その手形が「決済されるか?」の
リスク度を計るのであって、その手形の振出人の会社の将来性・発展性・成長性を計る事を
目的としていないからです。

 

例えば・・・・
A:従業員が数十名で年商が20億円位の同族会社の評点が60点
対して、
B:資本金が何十億もあり、年商は何百億~何千億もある、三菱や住友等の財閥系列の
会社の評点が50点
だったとしたら、如何でしょうか?

 

企業は生き物だとよく言われますが、私共手形割引業者は、突然の破綻リスクから、
まず考える習慣になっています。
それは。為替リスクやカントリーリスクは?万一大型の天変地異に耐えうるか?
取引先の破綻に連鎖しないか?代表者の急逝時に対応出来る組織か?
コンプラ違反したらどうなるか?万が一の不慮の事態が生じた時の金融機関の支援度は?
・・・と色々有りますが、そう言った事を考え(想像し)ます。

 

そうすると上記の例の場合でしたら、Bの方が破綻リスクが少ない(小さい)と
お分かり頂けるかと思います。
そう言った概念を基に興信所の評点も参考にし、リスク度が少ない会社の割引料を安く、
それに順じてレートが設定されていきます。

 

そして、次の「コスト」ですが、それは調査に要する費用もありますが、
一番考慮される事は、我々の利益率です。

 

手形の額面が10万円と100万円と1,000万円とでは、同じ会社が振り出した手形で
あった場合でも違いますし、同様に、手形の期日までの日数(サイト)が、30日先か60日先か、
90日先、120日先、150日先と、長くなるにしたがって金利が乗じられる訳ですから、
それも違います。

 

したがいまして、手形割引業者が一番割引料を安くサービスしづらい(年率%を下げにくい)手形は、
額面が少額で、手形の期日迄の日数が短い手形なのです。
「龍実商事はそんな事はありません!!」と言いたいところですが、やはり考慮しています。

 

以上の「リスク度」と「コスト」から割引料は算出されるのですが、算出以前に一番大切な事は
『どのようなお仕事をされた代金として受け取られたお手形であるか?』を教えていただく事が、
お取引させていただく上でのスタートラインです。
それによって割引料をサービスさせていただける事もありますし。逆に、お取引に応じられない事もあります。

 

話は少し変わりますが、平成27年7月1日の日本経済新聞の夕刊・日経電子版に、
帝国データバンクの情報部長が、『倒産の予兆を知る目利き力』と言う見出しで、
我々手形割引業者の調査や視点について書かれた記事が掲載されました。
そのように取り上げられる程、独特な感はあろうかと思います。

 

次回は「安い割引業者と、高い割引業者の違い」について、お話ししたいと思います。
今回も最後迄お読みいただきまして、ありがとうございました。

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