前回に引き続き「割引料を安く提示するには」のお話を進めます。
A:リスク料(保険料)→振出人が破綻した場合の処理コスト
B:割引業者のコスト1(興信所の調査料等、調査にかかる経費)
C:割引業者のコスト2(人件費etc、販管費)
D:仕入(資金調達コスト)
以上を削減すると、どのような傾向になるか??
Aの削減→「リスク料を少なく考慮」
・一番融通がきき、抽象的なものの為、枠が不安定で減少する。
・興信所の評点の低い企業の振出した手形は対象にしない。
Bの削減→「丁寧な調査をしない(評点のみを考慮)」
・中小零細企業の振出した手形は対象にしない。
・「今、御利用の割引業者のレートより下げます」と言った、他社の審査OKを参考にして興信所等の調査コスト減
Cの削減→「ネット通販型の業者化」
・ネット検索で「手形割引 ○○○(地方名)」で検索すると、支店も営業所もないのに、上位に表示
(サービスより集客重視) する事のみに経費をかけ、営業マンが少ない。
・大口の対応が困難で、地場情報が無い為、微妙なニュアンスが伝わらない。
・アフターフォローが無い。
・迅速性が無い。
・初めての取引の時ですら、訪問してこない。(お客様の要望や状況を確認希薄)
Dの削減→「銀行を始めとする、優良な金融機関とのつながりの恩恵を得る」
この中で一番お客様へのサービスの提供に支障がないのは「D」です。
それ以外は、何かとサービス面で支障をきたす要素が出てきます。
以上のA~Dのリスクとコストを見ていただき、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
我々、薄利(と思ってます)の割引業者は、例: 「100万円の120日サイトの手形を年率8.0%で
割引いた場合の割引料が26,301円」で、それをA~Dに分けていく訳ですから、結局のところ「D」を
安定した上で、薄利多売(スケールメリット) 出来る割引業者が一番お客様へ安く提示できると
御理解していただけるかと思います。
※スケールメリットのお話をしましたが、例えば弊社もホームページ上「年率4.5%から」と書いていますが、
金額によってはそれ以下の利率もありますし、 2年前に超優良会社の振出した手形を、1億円を超える金額で取引
させて いただいた際は、年率2.9%の割引率でした。
最後に補足として、割引業者も破綻したり、廃業に追い込まれるケースがあるのですが、そのケースとして・・・
優良割引業者
割引料が安くサービスも良い→お客様の数も扱い高も増える→情報量も増え精度の高い調査が
短時間で出来、かつ仕入先の金融機関から信用力が上がる→一段と割引料を安くでき、サービスの向上へ
良くない割引業者
割引料が安いだけの集客→量の確保が必要→リスク・コスト減でサービスの低下→
お客様が増えない→量の確保の為、信用力の低い手形の取扱い増 →破綻先増→収益の悪化→
仕入先の金融機関からの信用失墜→・・・
こんなスパイラルになります。
割引業者の損益分岐点は、各社まちまちですが、一番大切な振出人の調査が杜撰で、
評点だけしか考慮しない業者は如何なものかと私は思っています。
そして、決して安く提示しない会社が、優良な割引業者ではない、と一概に言えなく
かえってサービス満点の場合もありますから、その辺はお客様の色々なニーズにお応え出来る
割引業者が理想だと思います。
私はお客様の立場で「もし、私が割引業者を選ぶなら?それは、やはり龍実商事でしょ!!」と、
自信を持って言えますが、日々精進しお客様へのサービス向上に努力を惜しまない事が大切だと思っています。
最後は当社の宣伝みたいになってしまいましたが、その辺はお許し下さい。
今回も長々と書きましたが、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。