では、前回の続きからお話します。
今回は、今年度貸金業務取扱主任者資格試験の受験をしました青木が、社長の指名を受けましたので説明させていただきます。
まず、選択の①と②は『善意取得』に関しての記述です。
①は、悪意を持って手形を取得したCに対して、Aは対抗することができないと書かれているので間違いです。
②は、善意の第三者としてCが手形を取得したにも関わらず、AはCに対抗することができると書かれているので間違いです。
④は、電子記録債権法の第二十六条についての設問でありまして、下記のように書かれています。
第二十六条(電子記録債権の内容の変更)
電子記録債権、又はこれを目的とする質権の内容の意思表示による変更は、この法律に別段の定めがある場合を除き、「記録変更をしなければ、その効力を生じない。」
ゆえに、④は「当事者の意思表示の合致によりその効力を生じる」と書かれており、意思表示の合致だけでは効力は生じませんので間違いです。
③は、電子記録債権法の第五条についての設問でありまして、下記ように書かれています。
第五条(請求の当事者)
電子記録の請求は、法令に別段の定めがある場合を除き、「電子記録権利者及び電子記録義務者双方がしなければならない。」
ゆえに、③は条文の通り書かれていますので、正解です。
あらためて問題を見てみると、①と②では、手形は、過失のない善意の第三者に対しては対抗できないのですが、
その内容を異なる言い回しで書いており、
④では、当事者の意思表示の合致によりその効力を生じるが、変更記録をしなければこれを第三者に対抗することができないと、
矛盾した内容が書かれているのが分かります。
よって、これらは条文を覚えていなくても、消去法で正解を導き出せた問題だったと改めて感じました。
拙い解説でしたが、最後迄お読みいただきありがとうございました。