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龍実ブログ

今回は、前回のブログ「「平成28年度 貸金業務取扱主任者資格試験問題」の中にあった、
手形法及び電子記録債権に関する設問」の答えと解説をさせていただきたいと思います。

 

(1)の設問は、まるで手形上に追記した、有益的、無益的記載事項(H28.10/7付弊社ブログ通り)
についての問いのようなフェイント問題ですが、実は手形要件についての問題です。
文面中間部分の「支払日、支払金額及び、支払人が記載されていれば」という箇所は、
手形要件は7つあり・・・
1、証券の本文中にその証券の作成に使用する国語で約束手形であることを表示する文字
2、一定の金額を支払う旨の無条件の約束
3、満期の表示
4、支払地
5、支払いを受ける者又は支払いを受ける者を指図する者の名称
6、振出日及び振出し地
7、振出人の記名捺印又は署名
以上があって有効となります。
ですから、これでは足りないのです。(支払日、支払金額は手形要件ではない)
ある程度、既に印刷されている銀行協会発行の統一手形用紙しか流通していない現在では、
ある意味 手形法を知らないと判らないイジの悪い設問です。と言う事で(1)は間違いです。

 

(2)の設問は、手形法第38条【支払のための呈示】の丸写し。
ですので、これが正解です。
ただ、私共は「期日を含む3営業日」と覚えているので、考えればわかるのですが、
何か間違っているような気にさせられます。

 

(3)の設問は、(1)の設問と同様、中間の箇所が間違いで、
あたかも正解であるように感じますが、「当事者間の合意のみによってその効力を生じる」
(※電子記録債権法第17条の通り)が不要です。ですから間違いです。

 

(4)の設問も、(1)と(3)の設問と同様、中間の箇所が間違いで、
「当該電子記録債権の発生記録の引渡しによってその効力を生じるが」
(電子記録債権法第36条の通り)が不要です、ですから間違いです。

 

如何でしたでしょうか?
ヒッカケ問題ばかりで、(1)は「支払日、支払金額及び支払人が記載されていれば」
と言う箇所が無ければ正解ですし、
(3)も(4)も、中間の箇所が無ければ正解で、何とも難しく問い掛けてくる印象ですね。
50問すべてが、この雰囲気の設問であったかは検証していませんが、
私は試験の出題者の工夫(イジ悪さ?)を感じられました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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